《グルーヴ・シリーズ》マウスピースの特長

画期的な2つの新開発

マルチレングスシステム

マウスピースそれぞれのカップの深さの程度に対応させてマウスピースの全長と内径を適正に設計することにより、どのモデルを使っても正しいピッチが得られます。

一般に金管楽器のマウスピースについて(メーカー別に多少の差はありますが)「長さは一定」であり、また「カップが深ければピッチが下がり浅ければ上がるため、その補正を主管抜き差しにより行う」のが常識でした。しかし、そもそも楽器本体は標準サイズのマウスピースの使用を前提に設計されており、設計者は主管抜き差しを標準的な抜きしろ(10〜20mm程度)に想定し楽器全体の内径形状(メンズール / Mensur)を決定します。つまり、極端に主管抜き差しを抜いた(または入れた)場合の音響特性は設計上十分には考慮されていないため、たとえピッチが合っていてもその楽器が本来持っている最高の音を引き出せません。

ベストブラスのマルチレングスシステムはこの問題を解決し、グルーヴシリーズのどのモデルを選んでも主管抜き差しを適正な抜きしろにした状態で正しいピッチが得られます。楽器が最も効率的に鳴るポイントで演奏できるため、最高の音を最も自然に引き出せます。

ベストブラス/マルチレングスシステム

グルーヴ

グルーヴシリーズのマウスピースは、スロートの一部に「グルーヴ」と名付けられた細かい溝状の構造を持ちます。(マウスピースをカップ側から覗くと容易に確認できます。)「グルーヴ」は、唇を楽に振動させるための適度な吹奏抵抗(反射圧)を発生させ、唇の自然で効率的な振動を助けます。この新発明により従来品に比べ、圧倒的な唇疲労の緩和(軽減)、音域の拡大、さらには堂々とした音色の獲得をも実現しました。最もわかりやすい特長は、誰でも今まで出なかった高音や低音が安定して出せるようになるということでしょう。

ベストブラス/マウスピースの「グルーヴ」部分の拡大図

このシリーズの核ともいえる「グルーヴ」の生み出す心地よい抵抗に慣れ、唇が楽に振動する状態を覚えてしまえば、今よりも効率的な吹き方が可能となり、驚異的な耐久力が獲得できます。それに伴ってさらなる音域の拡大、そして堂々とした音色も獲得できます。楽器本体もマウスピースも、いかに最小の労力で最大の音量を得られるかは、非常に重要なことです。

まずは実際に体感してみてください。グルーヴシリーズの圧倒的な高性能にきっと驚かれることでしょう。

そのほかの特長

リム

ベストブラスのマウスピースをお試しになった方の第一声の多くは「リムが非常に心地よい」です。これは、すばらしいリムとはどうあるべきかを長年研究した結果です。グルーヴシリーズでは、リム不適合の不安はほとんどありません。また、ベストブラスのリム形状は、サイズやカップの深さなどが違っても楽器ごとに統一された最適な形状を与えており、例えばトランペットからフリューゲルホルンへの持ち替え等もまったく苦になりません。

カップ

カップが深くなると音色が暗く柔らかくなり、逆に浅くなれば明瞭で輝かしい音色になります。(ベストブラスのカップは深い順に、X - A - B - C - D - E の6種類です。)また、深さの違いだけでなく、Uカップ、Vカップ、ダブルカップなどの形状の違いが存在し、カップの深さと形状の組み合わせによりさまざまなモデルが生み出されます。個別の特長は楽器ごとの一覧表をご覧ください。

スロート

ベストブラスのマウスピースは上級者向けに設計してあり、スロートサイズは一般のものよりやや大きめです。加えて、グルーヴの採用により太いスロートを持ちながらも唇を楽に振動させる有益な吹奏抵抗(反射圧)も同時に得られ、最小の労力で最大の音量が得られます。

バックボア

バックボアの内径形状は、特に重要な部分であるにもかかわらず、単純なストレートテーパーを採用しているメーカーが少なくないのは残念なことです。

ベストブラスのバックボアの内径形状は、音圧分布を深く考慮した複雑なテーパーで、世界最高の音響技術と自負しております。細い順に、MS - M - ML - L - LL - X の種類があり、カップやスロート、そして楽器とのバランスも考慮し選択することで最良のバランスを実現しています。

外観

マウスピースの外形形状も音に影響します。トランペット用はやや重く、ホルン用は軽く、トロンボーン(ユーフォニアム)用は中庸な重さを与えながらバランスの良い形状を実現しました。また、トランペット・コルネット・フリューゲルホルン用マウスピースは、アルテミスモデルのデザインを継承、2本の音響スリットは、そのデザインを引き締めるだけでなく音の遠達性と柔軟性の両立を実現しています。

仕上げ

グルーヴシリーズマウスピースの表面仕上げはすべて厚い純銀メッキ層の上に施した純金メッキで、その非常に滑らかなリムの感触は、リップコントロールを容易にし、艶やかで充実した音が得られます。